1996~2000
遊気舎プロデュース びろ~ん(Belong)
作・演出/後藤ひろひと
大阪公演 1996/1/26(金)~1/30(火) 扇町ミュージアムスクエア 7ステージ
東京公演 1996/2/8(木)~2/12(祝) 第6回下北沢演劇祭’96参加作品 駅前劇場 7ステージ
限定キャストによる遊気舎初のプロデュース公演。川下大洋、粟根まこと(劇団☆新感線)の豪華ゲストを迎え、他者に帰属(Belong)しないと存在出来ない者たちを斬新なエピソードの連続で描いた。特にシュールな新作ギャグの切れ味は圧倒的で、古くからのファンを狂喜させた。
BLUE MAN GROUP『TUBES』を意識したビデオカメラによるギミックもふんだんに織り込み、本公演とは全く異なる大人の作品を展開させた。後藤本人も『びろ~ん2』を書きたいと語るほどの自信作。
ダブリンの鐘突きカビ人間 THE SECOND LEGEND OF POGUE MAHAONE
作・演出/後藤ひろひと
伊丹公演 1996/4/18(木)~4/22(月) AI・HALL 7ステージ
東京公演 1996/5/1(水)~5/6(祝) ザ・スズナリ 8ステージ
90年の『怪盗ダブリン4号~IF I SHOULD FALL FROM GRACE WITH GOD』に続く遊気舎ケルトシリーズ第2弾。アイルランドか浜松で死にたいと常々語る後藤ならではの、ウェルメイド感あふれる重厚な仕上がりとなった。
シリーズに共通する謎の宝剣ポーグ・マホーンが巻き起こす奇跡を、奇病で苦しむ町を舞台に描く。観客のルーレットで次のシーンを決める究極の客いじりも入れながら、これで座長引退作となる後藤のオマージュが込められていた。
関西を代表する名優・山本忠が遊気舎に加入。
遊気舎プロデュース《夏の連続レイトショー第1弾》ヴァニティーズ
原作/ジャック・ハイフナー 訳/青井陽治
演出/谷省吾
大阪公演 1996/8/19(月)~8/21(水) 扇町ミュージアムスクエア 3ステージ
仕事帰りの社会人向けに、気軽に芝居を楽しんでもらうため企画された夏の連続レイトショー。第1週はうべん、工藤まき、中平みほの3名による遊気舎初の翻訳劇。60年代の青春から挫折までをドラスティックに描いた戯曲を、谷省吾が情熱の演出。新しい遊気舎の可能性を示した。
イカつり海賊船
作・演出/後藤ひろひと
大阪公演 1996/11/8(金)~11/10(日) 遊気舎+近鉄アート館提携公演 近鉄アート館 5ステージ
東京公演 1996/11/19(火)~11/24(日) 駅前劇場 10ステージ
平凡なサラリーマン3人組が飲み屋の勢いで辞表を出し、イカつり漁船で海賊に変身する物語。海賊と海賊盤と海賊放送を引っ掛けて、後藤が愛して止まないブートレグの世界を描いた。サラリーマン化していく本職の海賊たちと対比させ、夢と希望を忘れない3人組の青春を発露させた内容だったが、底抜けの明るさが毒を求める遊気舎ファンには不評。重厚な『ダブリンの鐘突きカビ人間』の反動でこの作品を書いたと後藤は笑う。久々にうべんの爆発的演技が話題をさらった。
PARTNER
作・演出/後藤ひろひと
東京公演 1997/2/5(水)~2/11(祝) 第7回下北沢演劇祭’97参加作品 駅前劇場+OFF・OFFシアター(2劇場同時使用) 17ステージ
遊気舎+駅前劇場+OFF・OFFシアター合同企画。
二つの小劇場が隣接するロケーションを最大限に活用し、本格インタラクティブ演劇に挑戦。観客には数々の選択肢が用意され、場面に応じて劇場を移動する。
衛星放送のパラボラアンテナを探すアルバイトを主人公に、アンタッチャブルよろしく暗黒街のボスを別件逮捕しようと刑事が奮闘する。。
じゃばら
作・演出/後藤ひろひと
大阪公演 1997/7/23(水)~27(日) 遊気舎+近鉄アート館提携公演 近鉄アート館 7ステージ
東京公演 1997/8/16(土)~21(木) 本多劇場 8ステージ
名古屋公演 1997/9/5(金)~6(土) 愛知県芸術劇場小ホール 3ステージ
莫大な遺産獲得の条件として、斬新な映画に挑む青年監督。彼が選んだ題材は、「エレファントマン」で描かれた美談の興行主トム・ノーマンの隠された真実だった。
フリークスを演じる俳優たちと前世紀末の実在人物たちが交錯し、異形の見世物を禁じたマグナカルタの史実がねじ曲がっていく。錯綜する撮影現場。短絡するB級フィルム。悪夢の終焉が刻々と近づく。
鍵を握るのは、アコーディオン(じゃばら)を弾き続ける死者の老人だった・・・。
1993年初演、遊気舎の「文芸路線」を決定づけた記念碑的作品を改訂再演。
人間風車
作・演出/後藤ひろひと
東京公演 1997/12/4(火)~9(木) 遊気舎+紀伊國屋書店提携公演 紀伊國屋ホール 7ステージ
伊丹公演 1997/12/18(木)~23(祝) 遊気舎+AI・HALL提携公演 AI・HALL 8ステージ
名古屋公演 1997/12/27(土)~28(日) 平成9年度文化小劇場企画公演 名古屋市・財団法人名古屋市文化振興事業団主催 名古屋市南文化小劇場 2ステージ
売れない童話作家が子供たちに聞かせる禁断のストーリー。知的障がいを持った男によって現実となっていく。
遊気舎史上、最も戦慄する空間が姿を現した・・・。あまりにも恐ろしく悲しく救いの無い物語。
3年後にパルコプロデュースで再演されるが、結末は救いのある内容に改訂された。
源八橋西詰 I’M STANDING AT THE CROSSROADS AGEIN
構成・演出/後藤ひろひと
神戸公演 1998/5/3(日)~5(祝) 神戸アートビレッジセンター全館 5ステージ
1996年に夏の連続レイトショーとして大阪(OMS)において谷省吾演出の『ヴァニティーズ』と同時企画された遊気舎プロデュース作品の再演。
大阪(OMS)だけではなく東京(駅前劇場)でも上演。
エル・ニンジャ対サイボーグドラゴン
構成・演出/後藤ひろひと
神戸公演 1998/5/3(日)~5(祝) 神戸アートビレッジセンター全館 5ステージ
とある事件から、なにがなんでも今日中に映画を一本撮らなければならなくなった撮影所。スタッフが思いついたのが、見学の人々全員をエキストラに使うこと。かくしてゴミ映画『エル・ニンジャ対サイボーグドラゴン』の突貫撮影が始まる。果たして3時間で映画は完成するのか?
KAVC全館5フロアを使い、観客全員が出演者になる、究極の演劇映画イベント。
再演は不可能と思われたが・・・。
タッチャブルズ
作・演出/後藤ひろひと
東京公演 1998/6/24(水)~7/5(日) ザ・スズナリ 13ステージ
大阪公演 1998/7/10(金)~22(水) 遊気舎+近鉄アート館提携公演 扇町ミュージアムスクエア 15ステージ
禁酒法の時代、アル・カポネに立ち向かった新任財務官エリオット・ネスたちは、何人も触れることの出来ない「アンタッチャブル」と呼ばれた。
そして現代、反対に買収してほしくてたまらない汚職警官たちがいる。あまりに軽い倫理観ゆえ、悪党までが相手を警官であることを忘れる「タッチャブルズ」だ。
そのノリで犯罪組織の内部事情をつかみながら、捜査は彼らを無視して進んでいく・・・。
不思議なニュートラルゾーンに存在する「タッチャブルズ」を中心に、久々のハイパーギャグコメディ路線で描く。
遊気舎初のロングラン公演でもあった。
びよ~ん(Beyond)
作/後藤ひろひと+久保田浩 演出/後藤ひろひと
東京公演 1998/9/19(土)~27(日) 本多劇場 10ステージ
大阪公演 1998/10/10(祝)~14(水) 遊気舎+近鉄アート館提携公演 近鉄アート館 7ステージ
遊気舎史上最奇妙作品『びろ~ん(Belong)』から2年半。あのインチキ密室会話劇が、誰からも望まれずに帰ってきた!その名は『びよ~ん(Beyond)』。
洒落たチラシはストーリーとは無関係で、ただ単に興味をひくためだけ!そして「インテリ・パンク」なる気になるコピーの割には、無学でへなちょこな奴らが総出演!
本多劇場と近鉄アート館で計17ステージ。
FOLKER
作・演出/後藤ひろひと
大阪公演 1999/4/4(日)~11(日) 遊気舎+近鉄アート館提携公演 近鉄アート館 8ステージ
東京公演 1999/4/22(木)~29(祝) 本多劇場 9ステージ
福岡公演 1999/5/2(日) 主催・大野城市都市施設管理公社 大野城まどかぴあ大ホール 2ステージ
ある雑誌記者に脱獄した女囚の手記が持ち込まれた。物語はその手記を雑誌記者が読むことですすんでいく。その女囚がいた刑務所では、終身刑や死刑を宣告されている囚人に対し、更正プログラムとして「フォークダンス」が実施されていた。
ここに一人の眼光鋭い女囚が入所してきた。
彼女は妹を殺害され、その殺害した相手を殺めてきた。しかしまだ憎い相手が残っていた。やりのこしたことがあるせいか刑務所内で心を閉ざしている彼女だったが、フォークダンスの指導者や女囚たちとの交流により、少しずつ心を開いていく。
そんな矢先、毎年行われているフォークダンス大会に悪意のあるエントリーをさせられる。そのフォークダンス大会には、毎年八百長で優勝しているフォークウォリアーズなる金持ちのぼんぼんで構成されているグループがいる。大会にて、彼女は再び、一番憎い相手と顔を合わすことになる。
「辛いときに笑えるやつほど強いやつはいねえよ。」
世界で一番速い女
作・演出/後藤ひろひと
東京公演 2000/3/15(水)~20(祝) 全労済演劇フェスティバル2000参加公演 全労済ホール スペース・ゼロ 7ステージ
伊丹公演 2000/4/6(木)~10(月) 遊気舎+AI・HALL提携公演 AI・HALL 7ステージ
福岡公演 2000/5/27(土)~28(日) 主催・大野城市都市施設管理公社 大野城まどかぴあ大ホール 2ステージ
この作品の一年前に女優中心の「FOLKER」、そして男優中心のこの作品。この作品が後藤ひろひと氏が遊気舎に書く最後の長編となる。
初代新幹線が走る一年前のお話。いや、初代新幹線の最終運行のお話でもある。
運転席に入ってきた一人の老人。昔、この新幹線を運転してたという。この老人、包丁を片手にしている。何故、包丁持って運転室に来たか。幼なじみの女性に最後に運転させて欲しい、その女性は、とても優秀で女性初の新幹線運転士となるはずだった。
舞台は運転士訓練施設、女性の故郷の和歌山の岩出、そして1999年の最終運行の「運転席」で展開する。主人公の名前は「光(ひかり)」と書いて「こう」
「走ってけ-。光ちゃん、走ってけ-!」
エル・ニンジャ対アマゾネス・キョンシー
構成・演出/後藤ひろひと
神戸公演 2000/8/11(金)~8/14(月) 神戸アートビレッジセンター全館 6ステージ
「エル・ニンジャ対サイボーグドラゴン」の続編イベント。KAVCの全室で遊ぶ企画。後藤ひろひと氏の演出が最後となった作品。
諸事情により早急に映画を作らないといけない兄弟。キャストが足らない?ほら、ここにいるじゃない。そう、観客全員に出演いただこう!ということで、観客が選んだ場所へそれぞれ移動していただき、KAVC内のホールだけでなく、楽屋やスタジオ、練習室等を使っての撮影。
編集中にもまた、KAVC内のあちこちの部屋で、お化け屋敷やコント部屋や撮影会、休憩室、展示室、大喜利等で時間を過ごしていただく。
映画のストーリーは、我らがヒーロー、エル・ニンジャとエル・くノ一が、悪童子博士が送ってきたアマゾネスキョンシーと戦い、勝利するお話。
エル・ニンジャの恋話があったり、豪華ゲストに映像出演いただいたり、本筋以外に盛りだくさんな内容。
JULIO
作/後藤ひろひと 演出/楠見薫
東京公演 2000/9/26(火)~10/1(日) ザ・スズナリ 8ステージ
大阪公演 2000/10/5(木)~11(水) 遊気舎+扇町ミュージアムスクエア提携公演 扇町ミュージアムスクエア 9ステージ
日常に存在しないある特殊な「音」により極限のストレスを与えられ、その凶暴性をコントロールするという実験を受けた男が、退院後に妻以外の家族を噛み殺すという事件があった。その男は射殺され、終わったと思われていた事件が再び起きる。その謎を追う刑事たちと実験を行った医師たち、さらに無関係に見える人々とその事件との関わりとは・・・。
1995年に後藤ひろひとが外部劇団に書き下ろした作品を楠見薫が演出。